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1年

2009/01/22(木) 13:41:21
あれから、1年…。

1年前のわたしは、
自分がこの世から跡形も無く
消滅する事ばかりを、望んでいた。

今のわたしは、
彼の傍で生きていきたいという想いに満たされ、
細やかながら目標の様なものも出来、
それを達成する為に行動する事が、
出来ている。

1年前のわたしは、
迸る様な肉欲に突き動かされるまま彼を切望する一方、
心の中では他の男性からの支配を求め、
心と身体が、引き裂かれそうになっていた。

今のわたしは、
心も身体も彼に完全に支配され、
精神的に、かなり安定している。

1年前は、
彼と逢うイコールセックスで、
目的を果たせば、あっさり別れて帰途についていた。

今は、
逢う回数とセックスの回数が比例せず、
ただ逢って、食事をしながら語り合い、
口づけだけして別れる事も、珍しくなくなった。


この、1年。
元夫の残した置き土産の威力は凄まじく、
未だに地雷が仕掛けられている様な状態。
彼が居なかったら…。
彼が、わたしを満たしてくれていなかったら…。
この1年を乗り切る事は、決して出来なかったし、
この先、地雷を踏み抜く時の為に、
それに立ち向かう心の準備は、
出来なかったに違いない。

1年前のわたしは、
彼が、これほどまでに大事な人になるなんて、
想像すらしていなかった。

この先、何が起ころうとも…。

ずっと、彼の傍に居たい。
ずっと、彼のお気に入り玩具のひとつで在りたい。
ずっと、ずっと…。

そう思える人に逢えた事を、
わたしは深く、感謝している。




怪我

2009/01/27(火) 13:16:06
その日わたしは、部屋の主の居ない彼の家で、眠っていた。

彼の仕事は、朝が早い。
暗いうちから家を出て、数時間働いた後、夜が明ける頃に帰って来る。
彼の家に泊まった時、わたしは、彼が出掛ける支度をする気配で目を覚まして見送った後、もう一度寝直すのが常だった。

やがて、彼が、仕事を終えて帰って来た。
気配で目覚めたわたしは、ベッドを降りて、一目散に彼に駆け寄り抱きつこうとした。
足に激痛が走り、床に倒れ伏した。

  あっ…!

  馬鹿か、お前は…。

彼の、呆れた様な声が、頭上から降って来る。
わたしの足には、寝る前にわたしが床に置いた置物の尖った部分が、深々と突き刺さっていた。

  自分で置いたモンを自分で踏むか普通…。
  しかもそんな勢い良く。
  あれ危ねえかも、と思ったけど、
  声かける暇もありゃしねえ。


彼が帰って来たと思った瞬間、わたしの頭の中には、彼に抱きつく事しかなかったのだ。
他の事は思考から消えているし、足元になど、全く注意を払っていない。
刺さったものを抜きながらそう言うと、彼は益々呆れ果てる。

  だからお前は、よくぶつかったり転んだりしてるんだな。
  どこまでも馬鹿っぽい奴だ。


ワンテンポ遅れて、傷口から血が滴り落ち始める。
彼が、わたしの傍に座り込み、ティッシュで血を拭いながら傷口を観察する。

  うわ~、結構深いな…。
  鋭利なモン踏んだ訳じゃねえから、
  傷口もギザギザだ…。


言いながら、傷口を指で押したり広げたりする。

  痛い、Tさん、痛いよ…。

  そりゃ痛いだろう。
  これからもっと痛くなるぞ。
  今はまだ、お前寝惚けているからな。
  はっきり目が覚めたら、もっともっと痛みを感じる…。


言いながら彼は、傷と血を眺めている。
うっすらと微笑んで、とても嬉しそうだ。

今までわたしが知る男性というものは、他人の怪我にも血にも弱かった。
顔を顰めて目を逸らし、早くその傷を見えない様にして欲しいと言わんばかりだった。
こんな風に、まじまじと眺める人は、初めてだ。
今更だけど、やっぱり随分変わった人なんだな…。
そんな事を考えながらわたしは、自分の傷ではなく、彼の表情を見つめていた。

やがて彼は立ち上がり、救急箱を取って来ると、わたしをベッドに座らせ、傷の手当を始める。

  お前って、血の味まで馬鹿っぽいな。

  えっ、舐めたの?
  いつの間に?
  馬鹿っぽい血の味ってどんなよ…。


  何か…ちょっと薄い味だった。
  貧血気味か?


彼は一体、誰の血の味と比較しているのだろう?

丁寧に手当してくれた後、わたしの頬をパチンと叩く。

  何で仕事から帰って一発目がお前の手当だ?

  ごめんなさい…。
  これじゃあ今日は、犬の散歩は無理ね…。


その日は、この後わたしの家に移動して、犬の散歩をしたりゲームをしたりして寛ぐ予定だった。

  何を言うか。散歩は行くぞ。
  ○○(犬の名)も、俺と遊ぶのを
  楽しみにしているだろう。
  お前もちゃんと着いて来させる。
  どれだけ痛かろうが、
  足を引き摺ろうが、
  楽なんてさせんぞ。
  ふふっ…


彼の声は、久しく聞く事のなかった残酷な愉悦を含んで、濁っていた。
わたしの背筋を、ぞくりと冷たいものが走る。
それは決して嫌な感触ではなく、寧ろ甘美にも感じられた。

犬の散歩では、たっぷり1時間半、歩かされた。




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