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2008/10/18(土) 11:19:56
  これが、今年最後の遠乗りになるだろう。

そう言って彼は、バイクに乗って出掛けて行った。
わたしの住む地方に程近いところが、目的地だった。

日が暮れ始めてから、メールが入る。

  ○○で、待ち合わせるか?

わたしのお気に入りの観光地。
夜になって、人気がなくなった時の雰囲気が最高だ、と、彼に話していた場所だった。

  これからだと、2時間ちょっと
  かかってしまいますけれど、
  大丈夫ですか?


  俺もゆっくり移動するから、構わん。

急いで身支度し、車に飛び乗る。
日没後の気温は、どんどん下がっていく。
店じまいした後の観光地では、彼が寒さをしのげる場所が、無い。
出来るだけ急いで、待ち合わせ場所に向かった。


  着いた。

彼からメールが来た。
わたしの方は、後30分はかかってしまう。

  ええっ!
  ごめんなさい、急ぎます!


  慌てるな。
  お前の言う通り、いい雰囲気だ。
  のんびり待ってる。


そうは言っても、バイクの移動で、この寒さ…。
アクセルを踏み込む。


シャッターの下りた土産物屋街に、静かに車を入れ、突き当たりでエンジンを止めた。
彼のバイクが、停まっている。
彼は、どこだろう?
車を降りて見回すと、車止めの石の上に座って、微動だにしない人物が居た。
彼だ。
歩み寄る。
遅れた謝罪を言おうと、口を開いた。

  あらっ?

意図しない感嘆の声が出た。

  おう。

彼が、低く応じる。
その膝の上に、面白い模様の猫が、座っていた。

  どしたの、そのコ。
  野良猫?


  たぶんな。

  ごめんね、遅くなって。
  寒かったでしょ?


  いや…こいつのお陰で温かかった。
  俺がここに座ったら、
  こいつ上ってきやがってさ。


  さすが観光地の猫。
  人慣れしてるんだね。


ひそひそ声で、言葉を交わす。

猫は、突然現れたわたしにも動揺せず、彼の膝の上で丸まって香箱を組み、心地良さそうに目を半分閉じている。
彼も、少し背中を丸め、膝を揃えて猫を乗せ、その体温を満喫している。
満月が、白く冷たい月明かりを漂わせる中、彼の微笑みは、静かで穏やかで、温かかった。


そんな彼の事も、途轍もなく愛おしい。

そう、思った。




コメント

幸せそうで安心します。

動物にはきっと人間にはわからない何かを感じる力があると思います。
しのぶサンの愛犬にも野良猫にも好かれる主様は心の素敵な方なんでしょうね。

前のエントリーですが、主様に触れて頂く身体だから磨いて綺麗にしたいって気持ちから始めてみては如何でしょう♪

>マシェリさん
コメントありがとうございます。
彼は、不思議に動物に好かれる人の様です。

自分を磨いて綺麗にする…そうですね…
そう考えて努力できる様に、なろうと思います。

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