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彷徨う

2009/12/29(火) 04:28:04
Sの豹変に打ちのめされて以降、わたしは、自分が自分で無い様な、足が地面に接地していないかの様な、不思議な感覚の中で、生きていた。

唯一の理解者が現れたと思ったのに、それはわたしの勘違いで。

わたしの嗜好を満たしてくれると思ったのに、それは単なるエロトークで。

わたしって一体、何なの?

あんな恥を晒しておいて、何をのうのうと生きているの?


それでも死ぬ訳にはいかない…という事だけを、ひたすら自分に言い聞かせ続けていた。

妹の事を、考えよう。
あの子の笑顔を、思い出そう…。

その一方で…。
自殺してしまった、あの子…。
あの子ももしかして、土壇場でこんな風に放り出されたんじゃないだろうか…。
そんな気が、してくる。
だから、発作的にお酒で薬を山ほど飲んだんじゃないだろうか…。

けれどもしもそうなら、あの子の死は、わたしにも責任があるかも知れない。
Sに、格好の逃げる材料を、提供してしまったから。
ただの構ってちゃんなら放っとけば?と、言ってしまったから…。

職場では、何事も無かった様に振る舞い、冗談を言われればケラケラと笑い、仕事を捌いていく。
それでも、事務所に一人きりになり、喫煙所でぼんやり煙草を吸っている時などに、涙が止まらなくなって、慌てたりする。

夜を、どう消費するのかが、問題だ。
最早、PCの前で過ごす事は、出来そうにも無い。
メッセンジャーを見ると、心臓が苦しくなる。
だから、車に乗って、フラフラとその辺を彷徨う。

スピードを上げる。
凍結した路面にタイヤが滑り、一瞬ヒヤリとする。
事故死したらどうしよう。
遺体確認は、Sにして貰おうか。
どんな顔をするかな。
想像して、大笑いしてみたり、その直後に泣き出したりしながら、冬の田舎道を走り回る…。


そんなある夜の事、いつもの様に、車でフラフラと無目的にドライブしていたら、対向車線の路上に何かが横たわっているのを見つけた。
スピードを緩めながら目をやる。
狐だった。
撥ねられてしまったのだろう。
狐は、車を避けるのが上手い。
それを撥ねるとは、加害者は余程スピードを出していたに違いない。

通り過ぎた後、何気なくUターンして、元来た道を走る。
死体を避けながら見ると、さっき見た時と比べて、狐は少し潰れていた。
避け切れなかった車に、踏まれたのだろう。

暫く走って、再びUターンし、狐のところに戻る。
今度は、狐の頭が破裂して原型を失い、路上は紅い花が咲いた様になっていた。

ふとバックミラーを見ると、はるか後方を大型トラックが走っているのが見えた。
適当な場所で、Uターンする。
案の定、狐は、更に形を変えていた。

対向車とすれ違ったら、Uターンして、狐を見に行く。

Uターン。
Uターン。
Uターン…。

結局この夜わたしは、わたし以外の車によって、狐が完全な肉片となってしまうまで、もとが何の動物だったか判別出来なくなってしまうまで、何度も何度もUターンしては、狐の死体を見に行っていた。


そして、この夜以降、目的地の無いドライブにはあまり出掛けなくなった。
その代わり、所謂グロ画像やグロ動画を求めて、ネットの中を彷徨う様になった。






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